プラスチック製のスキー靴のように硬い素材いを使った靴はどんなに履きならしてもいったん飛び出た骨が当たると、なじんで楽になるということはありません。全体的に絞まって足が痺れるような状態は履きこむことによって自然にフィットしたり、サーモインナー等の場合は焼き直しで足に合うようになったりします。
骨が直接シェルに当たり、腫れたり骨が飛び出してきたりした場合は早めに当たる部分を出してしまわないとどんどん骨が飛び出してきます。ひどくなると歩く事や滑ることができなくなり、山の中では危機的な状況になる場合もあります。そこまでひどくなくてもスキーがつまらなくなります。
人によってはどんなブーツを履いても痛くない人もいれば、どんなブーツでも痛くなる人がいます。私は基本的にどんなブーツでも痛くなります(登山靴では大丈夫です)
近くにブーツの当り出しが出来る技術者のいらっしゃるお店があれば是非ご相談ください。どうしても近くにお店がない場合やネットで買って相談できない方は以下を参考にして下さい。正確に当る部分がシェルのどの部分かを特定できれば店に送っていただければ当り出しをして送り返すことができます。
☆当たり出し料金 1か所につき¥5000
ご来店の場合作業時間(1時間)¥10000(何箇所でも)
当店でお買い上げの場合、無料
※ご来店の場合は必ずご予約下さい。山に行って不在なことが多々あります。
写真左、私のブーツ。第1バックルと第2バックルの間を約5ミリ出してあります。写真右は新品。
私の場合、小趾(中足骨)が飛び出ています。赤線は右足をペンでトレースした状態。
インナーブーツをはいた状態で飛び出た天頂の部分をマークする。
マークした部分を中心に100円玉ぐらいの大きさでマジックをしっかり着ける。乾かないうちにブーツにセットしブーツを履くとマジックのインクがシェルの内側に付着する。スケルトンタイプのシェルの場合は外から見えるので簡単。
鉄製のピンチクリアーで出す。(写真は分かりやすいように多めに出してあります)
機械式のシューストレッチャーを使って滑らかに出す場合もあります。
プラスティックブーツの場合、工業用ドライヤーを使ってかなり高温に熱してそのまま流水で冷やします。ほとんどの場合戻ることはありません。
その他、油圧式の機械やリューターでシェルの内側を削ることもあります。
もちろん登山靴も対応できますが、登山靴の場合は一般できなシューストレッチャーでも伸びますし、全国の有名登山用品店で対応可能かと思います。実は登山靴の方が時間がかかります。片足の伸ばすのに当店では2日かけています。(熱をかけて冷やすということができません。少しづづ伸ばすため)
【2015/04/29記】